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2019年11月20日 ()
1911112.jpg中世武士選書24
『上杉顕定 古河公方との対立と関東の大乱』 森田真一著
           戎光祥出版 2014年 2500円

享徳の乱、長享の乱、永正の乱と立て続けに起こる戦乱で、関東はズブズブの戦国時代へ嵌まり込んでいく。享徳の乱勃発の年に生まれ、3つの大乱の時代を関東管領として采配を振るった上杉顕定の生き方・働きを知りたくて読み始めたのだが、顕定以外の人物と比較して顕定の存在感が希薄で、残念ながらその人物像を掴むことはできなかった。享徳の乱の流れは若干知っているつもりだったが、第1部の「享徳の乱と山内上杉氏」を読んでこれまでの知識が深まるとか整理されるといった感想は持てなかった。第2部「長享の乱と上杉一族」も、顕定の兄で越後上杉家当主定昌の死の項など何が言いたいのか分からない箇所が散見された。第4部「永正の乱と越後」の越後介入あたりから漸く顕定の姿が見えて来たのだが、そのときには命の残りはわずかになっている。長森原での最期はあっけない上に、永正の乱のその後について一言も無いのは不親切ではないだろうか。系図が細切れなので各人の相関関係を掴むのに他書を開きながら読むことを強いられる。せめて足利氏、上杉氏、長尾氏についてはそれぞれの系図を載せて欲しい。第3部「上杉顕定の権力」は、顕定の生涯を通観するには脇道なので、終いまで目を通した後に読み返した。ここでも顕定は影が薄く「山内上杉氏の権力基盤」というタイトルがふさわしいと思うが、ともかくこの本の真価はこの部分にあることを感じた。顕定の花押の変遷、上杉一族の庶家、長尾氏他の家臣団、上野・伊豆・武蔵などの守護分国と守護領についてまとめられている。現在の自分にはこれらの内容を有効に利用できる能力はないが、代わりになる本を見つけるのは難しいと思われる。本書は一般書と専門書の中間に位置するなかなか個性的な本だと言えるだろう。

以上の感想は自分の知識や理解力が乏しいことが原因かもしれないので、この領域に詳しい読者は全く違う感想を持たれるかもしれない。
[2019.11.20(Wed) 00:00] 本のご案内 | Trackback(-) | Comments(0)
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