新刊書『常陸大掾氏と中世後期の東国』
2019年09月10日 (火)

中根正人著 岩田書院 2019年 7900円
→岩田書院ホームページ
『続・図説 茨城の城郭』以来、茨城県中世城館跡総合調査委員会その他でお世話になっている中根正人さんの論文集が8月に刊行されました。これまで、論文雑誌や共著書などに収められた重要論文に加え、多数の新稿(*印)を加えた構成になっています。近年、県北を中心とした佐竹氏関連研究に勢いを感じる一方で、めざましい進展に乏しい感のある県南の中世史ですが、名族大掾氏を中心に据え、周囲の諸勢力との関係に目を配っている本書は、高橋修編『常陸平氏』(戎光祥)を補い発展させ、今後の関東中世史研究に於ける存在感を確立していくと感じられます。
目次
序 章 中世後期常陸諸氏研究の現状と本書の構成(*)
第一部 十四から十五世紀の常陸大掾氏
第一章 中世前期常陸大掾氏の代替わりと系図
第二章 大掾浄永発給文書に関する一考察ー観応の擾乱期の常陸ー
第三章 南北朝〜室町前期の常陸大掾氏
第四章 室町中期の常陸大掾氏
補論一 「平憲国」再考(*)
第二部 十六世紀の常陸大掾氏とその周辺
第一章 戦国初期の常陸南部ー小田氏の動向を中心としてー(*)
補論二 戦国初期の大掾氏ー大掾忠幹の発給文書からー(*)
第二章 戦国期常陸大掾の位置づけ
第三章 大掾清幹発給文書の検討ー花押形の変遷を中心にー(*)
第四章 「南方三十三館」謀殺事件考
補論三 島清興書状にみる天正十八年の大掾氏と豊臣政権(*)
第三部 中世後期の常陸の諸勢力
第一章 室町期の常陸小栗氏(*)
第二章 古河公方御連枝足利基頼の動向
第三章 十六世紀前半の常陸真壁氏(*)
終 章 中世後期の常陸大掾氏と常陸国(*)
初出一覧
あとがき
索引
ひづめ (09/08)
京 (09/08)
ひづめ (10/25)
とら (10/25)
ひづめ (07/11)