道南十二館についての数少ない成書
2019年12月10日 (火)

北海道出版企画センター 2017年 3800円
道南十二館は、北海道道南に点在する代表的な中世城館の総称ですが、広く知られているとは言えないと思います。
本書は400ページを超える大著なのですが、残念に思うのは系図以外の図版が20枚ほどと少ない事です。道南中世史ということであればまだしも、道南十二館と銘打ったからには、読者は城館についての現代的な記述を期待してしまうのは自然でしょう。著者ご自身が踏査図を描かれないにしても、八巻孝夫さんが『図説中世城郭事典 第一巻』で描かれた縄張図や、これまでの調査報告書の図版などがあるわけですから、それらを利用し掲載されなかったことをとても残念に思います。複雑でかつ一般になじみの少ない地域について、言葉の力だけで十分な理解とイメージ惹起を求めるのはなかなか難しいことと感じるからです。
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