斉藤慎一『中世武士の城』
2006年10月18日 (水)
「軍事的要塞という城館の現代的なイメージを疑うこと」が本書の出発点だと著者は言う。論証が不十分なところで断定を避けるのは良心的なのかも知れないが、かえって文章が分かりにくく感じた。おかげで何度も何度も読み返すことになったが、これが著者のねらいであったのかもしれない。本拠としての「城」と非日常である軍事的「要害」という組み合わせが、15世紀中頃を境に本拠に軍事的な郭が合体し「城郭」への変化が現れるという。著者が言いたかったのはそういうことだと思うのだが、論旨を読みとれているのか自信が無い。それでも、本拠と城郭の位置関係については示唆的で今後お城を見ていくときの視点のひとつになると思う。また、城、館の名称についての呼び分けにも気を配る必要があると感じた。
COMMENT
by とら
買ってみました。
by ひづめ
城郭ではない、本拠としての「城」というカテゴリーが新鮮でした。でも、著者はそういうことを言っているのかどうなのか、自信がないのです。とらさんの意見を聞かせて下さい。
ひづめ (10/25)
とら (10/25)
ひづめ (07/11)
とら (07/08)
ひづめ (07/07)